精製方法による味の違い

ウオッシュド? ナチュラル? いったい何?という方も多いと思いますが、コーヒーの実を収穫して、生豆になるまでの工程(精製)の呼び方で、それぞれの精製方法ごとに、個性的な味わいがあります。

  1. ウオッシュド
    最も一般的な方法です。収穫した赤い果実から果肉を除去し、種子(豆)のみを残します。その後、発酵させて粘液を取り除きます。クリアでフレッシュな酸味と、レモンやライチのようなさわやかな果実香が特徴です。
  2. スマトラ
    インドネシアで行われる特殊な方法です。ウオッシュド法と同様に果肉を除去しますが、その後12~36時間程度の比較的短い発酵期間が設けられます。この簡易発酵により、ウオッシュド法よりも深みのあるコクと、ブルーベリーや干しプルーンのような複雑な香りが生まれます。
  3. ナチュラル
    果実全体を太陽で乾燥させる最も古い方法です。果肉が豆に密着したままなので、コクのある濃厚な甘みとベリー系の野生的な香りが特徴的です。しかし過度に発酵すると酵母臭が出る恐れがあります。
  4. パルプドウォッシュ/ハニープロセス
    果肉のみを除去し、種子の周りの粘液はそのままにした方法です。この中にはハニープロセス(イエローハニー、レッドハニー)と呼ばれる手法もあり、粘液を一定期間豆に付着させることで、砂糖のようななめらかな甘みが生まれます。一般的にはナチュラル法ほど強くはないものの、上品でジューシーな熟した果実の風味が楽しめます。
  5. アナエロビック(嫌気性発酵)
    豆を空気に触れさせずに発酵槽で発酵させる新しい手法です。濃厚なトロピカルフルーツ(パイナップルやマンゴーなど)のようなジューシーな果実味と、ワインや発酵食品のような風味が特徴です。
  6. インフューズド
    最近注目されている手法で、乾燥した生豆に香り付けをする方法です。フルーツやハーブ、スパイスなどと一緒に生豆を密閉し、その香りを豆に移させます。通常の精製方法とは異なり、独特のフレーバーが楽しめるのが特徴です。